肥満とは
肥満の定義:脂肪細胞に脂肪が過剰に蓄積した状態であり 体格指数(BMI)=体重(kg)/身長(m)2≧25 のもの

肥満症とは
肥満と肥満症は異なります。2016年に日本肥満学会が作成した『肥満症診療ガイドライン2016』では、肥満が健康障害の原因となる場合を“肥満症”と定義し、単なる肥満とわけて、積極的に減量指導や管理を行うことを推奨しています。
肥満症の診断:肥満と判定されたもの(BMI≧25)のうち, 以下のいずれかを、満たすもの。
- 肥満に起因ないし関連し、減量を要する(減量により改善する、または進行が防止される)健康障害を有するもの
- 健康障害を伴いやすい高リスク肥満 ウエスト周囲長のスクリーニングにより内蔵脂肪蓄積を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満
高度肥満症:BMI≧35 で健康障害があるか、または内臓脂肪蓄積がある場合を高度肥満症といいます。
肥満に起因ないし、関連し、減量を要する健康障害
- 耐糖能障害(血糖異常)
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患(心臓病)
- 脳梗塞
- 非アルコール性脂肪性肝疾患
- 月経異常
- 睡眠時無呼吸症候群
- 運動器疾患(膝痛、腰痛)
- 肥満関連腎臓病
治療について
肥満症では現体重の3%の減量目標を、高度肥満症では5〜10%の減量目標を設定します。行動療法として食事運動療法で対応し、効果がない場合は薬物療法や高度肥満症の場合は外科的治療も行います。
当院の医師はフランス留学時に抗肥満薬の開発に関わり、帰国後信州大学で肥満外来を10年近くにわたって行ってきました。当院ではまず最初に管理栄養士による食事指導を行い、糖尿病や耐糖能異常のある肥満症の患者さんには薬物療法も行っています。必要に応じて外科的加療を行う医療機関への紹介も行います。